
近年日本では、子供の英語教育の早期化が進んでいます。米国駐在でお子様を現地校に通わせるとなると、お子様の英語が心配な方が多いのではないでしょうか。学年を下げることを検討される方もいらっしゃりますが、ひと昔と違い、生年月日に基づく学年での入学を推奨され、英語の習得中の理由で学年を下げることが難しい傾向にあります。
多くの公立校では、ESL(English as Second Language)またはELL(English Language Learner)などと呼ばれる、英語を第一言語としない生徒向けの英語教育のカリキュラムが導入されたクラスやサポートプログラムを用意しています。ESL/ELLの内容やサポートレベルなどは、州、学校区、学校によって様々ですので、居住先を決定される際には、治安面と同時に学区・学校のレベルと環境、そしてESL/ELLの有無もポイントとなります。
ESL/ELLの対象となる生徒は?
州や学区によって体制が異なりますが、移民や海外からの居住者が多い米国では、入学手続きの際に「家庭での言語質問」の調査書類が用意されていることが多く、ご自宅で使われる第一言語を報告します。そこで、英語が第一言語でない場合は、入学の前に英語の査定テストを実施することが多いです。この査定テストは、お子様が英語で教育を受けるためにどの位のサポートが必要かを学区側が把握するためのテストとなりますので、特に事前準備の必要はないでしょう。
海外から来たばかりの生徒だけではなく、米国生まれでも家庭言語が英語以外の場合は、対象になるケースもあります。一例として、カリフォルニア州では、ELPAC (English Language Proficiency Assessments for California)と呼ばれる英語の能力テストがあり、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングと4つの項目で構成されています。カリフォルニア州の教育機関は、英語が第一言語でないキンダーから12年生の対象生徒にELPACを実施することを義務付けられています。入学・編入時だけではなく、一定のスコアを取れるようになるまでELPACの実施、言語サポートが継続されます。

ESL/ELLではどのようなサポートがありますか?
州や学区によって、ESL/ELLのサポート体制は様々です。駐在員が多く住むエリアでは、英語ビギナーの生徒だけで構成されたESL/ELLクラスを持つ小学校もあります。海外から来たばかりの生徒へ英語を教えることに慣れた先生が受け持つことに加え、同じ環境の生徒が集まるため、お子様にとっては精神的な負担が軽減されるかもしれません。お子様の英語の習得に応じてESL/ELLのクラスから一般学級へ移動することも可能です。
ESL/ELLのクラスを持たない学校、もしくは、ESL/ELLは必要ないが何かしらのサポートは必要と判断された生徒向けに、一般学級の中でサポートが入る場合もあります。学年に応じてサポートが入る教科が異なりますが、ESL/ELLサポートの教員が対象の生徒をクラスの中、もしくはクラスの外のスペースを利用して、少人数で授業の課題をフォローしたり、質問に応じたりしてくれます。
中学校、高校の場合は、大学のように生徒が各科目の先生のクラスへ出向く移動式となるため、時間割の中で毎日1枠をESL/ELLのクラスを設けて英語教育を行うだけではなく、複数の科目の補習を担当教員が対応してくれるケースなどもあります。
TWIアシストでは、居住予定先の学校の評判や雰囲気のリサーチから学校区の入学手続きのサポートまでお手伝いいたします。